今回は「若年発症型両側性感音難聴」という難病についてお話ししたいと思います。
どのような病気かというと、遅発性(先天性でない)かつ若年(40歳未満)で発症し、両耳とも段々と進行する難聴を主な症状とする病気とされています。難聴の進行に応じて耳鳴りやめまいを伴うことも多く、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
患者数は多くなく、加齢性難聴を除く難聴者全体の0.14~1.9%という非常に珍しい病気です。
「若年発症型両側性感音難聴」と診断された方のうち、良い方の耳の平均聴力が70㏈以上の場合に指定難病の対象となります。指定難病とは、国が「難病の患者に対する医療等に関する法律」に定められる基準に基づいて医療費助成制度の対象としている難病のことです。
障害者総合支援法により補聴器購入費の助成を受けることが出来る場合もあります。
遺伝子との関連が徐々にわかってきてはいるものの、根本的に治す有効な治療法は確立されていません。遺伝子の変異が原因ですが、ご家族に難聴の方がいらっしゃらない場合もあります。
診断には耳鼻咽喉科にて聴力検査と遺伝子検査が必要で、症状に応じて補聴器や人工内耳を用いて聞こえを補う治療が行われています。難聴の程度に応じて早期に補聴器や人工内耳の装着が望ましいとされています。
「難聴が徐々に進行している」と感じた場合、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。