大切な補聴器をなくさないために。

「補聴器って小さいほど失くしやすいんでしょ?」

補聴器のご相談の中でこういった質問をされることがあります。

 

たいていの場合、ご相談者様の知人のお話などを参考にされていることが多いのですが、補聴器の大きさに関わらず何も気にせず適当に扱ってしまえば失くしてしまう確率も高くなり、気を付けて管理していけば失くさず上手に扱っている方もたくさんいるということは想像に難くないと思います。

 

せっかくご購入いただいた補聴器を紛失してしまった…そんな悲劇を起こさないためにも取り扱う上で気を付けてほしいポイントがいくつかあります。

① 保管場所を決める。
補聴器の購入時には収納用の携帯ケースや、乾燥用のケースなどが付属してきます。耳から外した後に適当な場所に置いてしまうと「外したところまでは覚えているんだけど、、、その後どこにいったか分からなくなった」なんていうことにもなりかねません。補聴器の置き場所や保管するケースなどを決めて管理していただくことが大切です。

(写真:補聴器保管用の収納ケース)

 

② 耳の形に合わせる。
お耳の中はS字状に曲がっており、穴の大きさや形も千差万別です。また、補聴器の形状にも「耳あな型」「耳掛け型」「ポケット型」などいくつか種類がございます。

補聴器と耳の形が合っていないと、装用中に耳栓が外側に抜けてきやすく不安定です。既製のゴム耳栓がフィットする方もいますが、うまく合わない方もいらっしゃいます。

その場合にはお耳の形に合わせて作製するオーダーメイドの「耳あな型補聴器」だとご自身のお耳の形にピッタリ合うので装用にも安定感があり安心です。

(写真:左・印象材で採取した耳型、中央・オーダーメイドの耳あな型補聴器、右・耳掛け型補聴器)

 

③ 紛失防止用のチェーンを付ける。
お耳の状態によっては前述②のオーダーメイドの「耳あな型補聴器」が向いていない方や作製できない方などもいます。そんな方にはイヤチェーンという紛失防止用のチェーンを付けることもできます。

片耳装用を一例にすると、下記の写真のようにチェーンの一方を補聴器に固定してもう一方にあるクリップを首元の衣類に挟むことで、文字通り“肌身離さず”装用できて、万が一、耳から外れてしまった際にもそのまま見失ってしまうというリスクは少なくなります。

(写真:耳掛け型補聴器に取り付けたイヤチェーン)

 

上記のような管理方法や対策を行うことで、紛失のリスクはかなり軽減できるかと思いますが、完璧とまでは言い切れません。ご自身の耳の一部として聞こえを補ってくれる補聴器を大事に扱っていくんだという気持ちも大切かと思います。

現在、補聴器をお使いの方も、これからお使いになる予定の方も、今回ご案内した内容を参考にしていただければ幸いです。

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