聞き取り困難症について

今回は「聞き取り困難症」についてお話ししたいと思います。

聞き取り困難症とは、「聞こえているのに聞き取れない」「聞き間違いが多い」など音声を言葉として聞き取るのが困難な症状を指します。通常の聴力検査では異常が発見されず、耳から入った音の情報を脳で処理して理解する際に、何らかの障害が生じる状態だと考えられています。
聴覚情報処理障害とも呼ばれ、LID/APDと表記されます。

主な症状に以下のようなものがあります。
① 雑音の中で話が聞き取れない
② 複数の人との会話や音が同時に聞き取れない
③ 口頭で言われたことは忘れてしまったり、理解しにくい
④ 早口や小さな声が聞き取りにくい
⑤ 話が長くなると途中から理解できなくなる
⑥ テレビや映画は字幕が無いとよくわからない
⑦ マスクやスクリーン越しの会話の聞き取りが困難

聞き取り困難症は、子供の頃から音の聞こえに違和感のある場合が多いですが、実際に聞きにくさを意識するようになるのは成長して社会に出てからという人が大勢います。
ですが、聞き取り困難症は発見が比較的新しいため、明確な治療方法は確立されていません。そうした現状ではありますが、家庭や職場、学校で出来る様々な工夫や周囲の人のサポートを受けるという対処法が提唱されています。
そうした対処法の中には、補聴器や無線機器を使用するといったものもあります。

聞き取り困難症は耳鼻科の領域になります。もし先ほど挙げた症状でお困りの方は、事前に連絡の上、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めいたします。

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聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LID/APD)
当事者ニーズに基づいた聴覚情報処理障害の診断と支援の手引きの開発
聴覚情報処理障害の症状を示す小児の学習支援のための検査法および補聴技術の開発
公式ホームページ 参照

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